『タイタニック』で一世を風靡したレオナルド・ディカプリオが、次に何に出るか、と注目をされた中で出演を決めた作品。
それまでに殺到していたオファーは100本以上という。
それら全てを蹴ってまで、出演を決めた映画。
感想
ディカプリオ終わりの始まり
かなりの出演依頼があった中選んだのがこれか…。
多分、本人が選んだんだろう。
こういうのは本人が決めてはダメ。
よっぽどの人じゃない限り、「見抜く力」なんてない。
ただ、100本以上もの出演オファーがある中で、冷静に本を選ぶことができる人なんていないかもしれない。どうあっても浮足立つ。
しかし結果、ここからディカプリオ復活まで、だいぶ時間がかかることになった。
どう考えてもこの作品は失敗だったと思うけど、それもディカプリオに託された使命だったのかもしれない。
(以下ネタバレを含みます)
断片はいい
途中途中のレオナルド・ディカプリオの心の中の言葉みたいなのは結構よかった。
あのフランス人女性と一緒に星を見ている時とか。
最後のシーンの言葉もよかった。
今でも楽園はあると信じている。でも、探し求める場所ではない。楽園とは、大切な瞬間に心で感じる場所。その瞬間を見つけたら、それは永遠に残る。
この映画は、映像の美しさと、言葉の美しさがある。
小説原作だから、文学性がある。
ディカプリオもすこに惹かれてこの映画に決めたんだと思う。
全体がダメ
ただこれは文学ではなく、映画なので、全体を通して、観ていてつまらないんじゃダメなわけで。
例えばディカプリオが伝説のビーチの地図と出会う瞬間、隣の部屋のカップルを誘う場面とかちょっと急いでない?って気がしてしまう。
それから楽園の描き方が、なんかこう全てがもう一歩、という感じ。
途中、ディカプリオが見張り役になったあたりから、全く理解不能のシーンが続くよね、20分くらい。
あのシーンの意味がさっぱりだし、何か、無理やり深くしようとしている意図が見え隠れした。
意味深っぽくしようとしてるというか。
原作の文学性を下手に映像化しようとしたのか。
何やったって、わけわかんないものは、わけわかんないんだ。
「伝説のビーチ」っていう発想はよかったし、聞こえもかっこいいんだけど、創造力があと一歩、という感じの映画でした。
「ザ・ビーチ」評価
★★★☆☆☆☆☆☆☆