1999年12月18日に公開された東映映画。
スター生産コンテンツ
GTOはのちの大スターが出やすいのか。
ドラマ版においては、いじめられっ子役の小栗旬、ちょい役の玉木宏、そして本作ではカツアゲ役での妻夫木聡。
冒頭いきなり妻夫木聡が出てくるから驚く。
流れないPOISON
本作は確実にドラマありきのはずなのに、映画だけで成立させようとしてしまったのか、いつものGTO節がなかなか出てこない。
POISONがいつまで待っても流れないから、GTO観るスイッチが入らない。ずーっとよくわからないものを観せられている気さえしてくる。
最後の最後で流れるPOISONは劇場版仕様になっていて、合唱が入ってくる。こんなグッドなアレンジしてるんだったら、なおさら、冒頭やら中盤でも効果的に活用してほしかった。
やっつけ仕事に見える演出
喧嘩の賭けのシーンで藤原紀香さんと甲本雅裕さんらが演じる記者が、生徒たちからも普通に見れる位置から覗いてる時点で、この映画のクオリティを感じてしまう。
ああ、そのへんも映画都合にしちゃうのかという。
最初の鬼塚節が出てくるのがこの喧嘩のシーンだと思うんだけど、ここの鬼塚の理屈がもう一つ弱い。ここで脚本も弱いと感じる。
この脚本なら、ものすごいGTOファンの素人が書いたほうがまだ良いのができたような気さえする。
舞台は北海道、記者とのやり取り、という条件を課して書かせればいいのができるはず。
ドラマの劣化版
ドラマ原作の映画は、見たことないものを見せるのではなく、見たいものを見せてやらないとダメ。
そこを行くと『踊る大捜査線 THE MOVIE』は、きっちり期待に答える映画で素晴らしかった。テレビのスケールを大幅に越えた、まさに映画ならではの作品に昇華されていたのに対し、映画GTOは、ドラマよりスケールダウンした劣化版となってしまった。
気球で全校朝礼に入っていくシーンも説得力が全くない。アヤノに対してもまるで弱い。教師や生徒の描写もまるでなにもないので感動がない。
ドラマ版の作りが良すぎてしまったから期待値が大きすぎたのかもしれないが、それを考慮してもやっぱり本作はひどかった。
「GTO」評価
★☆☆☆☆☆☆☆☆☆