1999年のアメリカの伝記映画。
黒人差別に基づく冤罪事件である「ルービン・カーター事件」を題材としていて、事実に忠実に描かれている。
つまりこの映画は、実話である。
あらすじ(ネタバレ)
元ヘヴィ級プロボクサー、ルービン・ハリケーン・カーターは、チャンピオンになれる実力を確実に持ちえていた。
しかし、人種偏見に基ずく不正な判決で、彼は無実にも関わらず殺人犯に仕立てられ、牢獄生活を強いられてしまう。
獄中でハリケーンが書いた自伝「The Sixteen Round」を読んだボブ・ディランは、無実のハリケーンが牢獄に閉じ込められていることに疑問を持ち、不正が行われていることに憤りを感じて「ハリケーン」という歌を書いた。
なお、この曲の歌詞は11番まで続く。
この映画の中にも、ディランが歌っている映像が流れる。
そして、再審が認められた1988年に逆転無罪、ハリケーンは釈放される。
逮捕から20年という月日が経過していた。
感想
とにかく泣ける
涙腺は弱いほうですが、この映画にもまた、泣かされました。
演出云々もあるけど、この映画はかなり事実に忠実に描いているため、この真実のストーリーがとにかく重たいし、でも現実だし、それをまざまざを見せつけられると、やはり心が揺さぶられる。
デンゼル・ワシントンもすごく良かった。
あの抑えた演技。感情を押し殺し、達観していながら、その奥底には、ボクサーが持つ熱い闘志が煮えたぎっているような。
ディランファンには有名な話
ボブ・ディランファンなら、この一件は、映画公開前からたいていみんな知っている。
ディランの曲「ハリケーン(1975年)」はとても有名な歌なので。
人種差別問題
この映画は実話ということを、噛み締めて観ないといけない。
そして、人種差別の犠牲者達は決して彼だけではない。
法とは何か、真実とは何か、正義とは何か。
考えさせられる映画でした。
この映画の最後に流れる文章を、ここに抜粋します。
「1994年世界ボクシング評議会は、ルービンに世界ミドル級王者のチャンピオンベルトを授与。現役の者以外に与えられた、初の栄誉である」
「ザ・ハリケーン」評価
★★★★★★★★☆☆