映画「女神の見えざる手」感想 先読みの天才アンチヒーローが抜群にカッコいい(ネタバレあり)

f:id:sagitani_m:20180422232608j:plainWikipediaによると、ロビイストとはこうだ。

ロビー活動(ロビーかつどう、lobbying)とは、特定の主張を有する個人または団体が政府の政策に影響を及ぼすことを目的として行う私的な政治活動である。ロビイング、ロビーイングともいう。議会の議員、政府の構成員、公務員などが対象となる。ロビー活動を行う私的人物・集団はロビイスト(lobbyist)と称される。

感想(ネタバレ)

『銀と金』平井銀二ならどう動くか…

日本において「政治活動団体」というとちょっと怖いイメージがあるけど、海外にはこのロビイストと呼ばれる人たちは大勢いて、本作ではそんな職業の人たちを描いている。

個人的に最初に思ったのは「フィクサー」。

フィクサーといえば『銀と金』の平井銀二。漫画脳で申し訳ないが…

もちろん本作はフィクサーとも『銀と金』とも違うけど、映画自体のおもしろさはどことなく共通してた。

「女神の見えざる手」は、メッセージ性、エンターテイメント性、芸術性など、映画のもついい部分をすべて併せ持っている。

実在するテーマに基づき、人を魅了する。クリエイターなら誰もがやってみたいと憧れる内容だ。

(以下ネタバレを含みます)

ミス・スローンの男買いの設定が秀逸

社会の実情をえぐるようなマイケル・ムーア監督的な要素を感じるけど、本作はドキュメンタリー作品ではないし、まさかのエンディングに向かっていたことさえ全く気づかせないストーリー描写。

ジェシカ・チャスティン演じるミス・スローンは、人には決して好かれなさそうな個性的なキャラクターでありながら、孤高であるがゆえの弱さも描写されていて、観客は心情的にどこか彼女に味方する。

女性から見ればこのミス・スローンに抜群のカッコ良さを見出すはず。

男を買っているという設定もすごくいい。これがあるとないとでは、この映画を観る心情が全然違ったと思う

映画の「カッコよさ」が凝縮された映画

しかしラストでは、そんな味方の観客さえもあざやかに裏切る。

そしてその裏切りを見せたいがための映画ではないということもわかる。

そんな生半可な描写をしてきていないし、動きもしていない。

この映画は創作だけど、実際アメリカで常に問題になっている銃規制の問題についてここまでリアルに取り上げるという、このへんがやっぱりアメリカという国はすごい。

そして、世の中にはここまで頭が切れる人間がいるんだなあ、いるんだろうなあ、と感じた。 

あざやかな裏切り、どんでん返し、カッコいい女ヒーロー、リアリティあるカメラワーク、社会派、メッセージ性…

映画の「カッコいい」が凝縮された映画だった。

「女神の見えざる手」評価

★★★★★★★☆☆☆