鷺谷政明の神映画レビュー

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映画「チア☆ダン」感想 ドラマ化決定で考えるウォーターボーイズとの相似点(ネタバレあり)

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チア☆ダン~女子高生がチアダンスで全米制覇しちゃったホントの話~と、タイトルにあるように、2009年に福井県の高校チアリーダー部が、アメリカのチアダンスの大会で優勝した実話をベースにした青春ムービー。

キャストには広瀬すず、中条あやみ、新田真剣佑、天海祐希など。

(以下ネタバレを含みます)

感想(ネタバレ)

ヒットしないわけがない題材

この出来事を知れば、映画プロデューサーなら誰もが我先に飛びつくはず。

つまりそれは裏を返せば、題材がいいから誰が作ってもヒットする、という気もするけど、本作は非の打ち所がない完成度だった。

この制作スタッフ、この監督じゃないとダメだ、というほど見事な作り。

とにかく、余計なことしない。無駄なことしない。題材に合った作りで、河合勇人監督にはとても好感が持てる。

しつこくない感動のダメ押し

実話を元にした成長系の青春映画といえば矢口史靖監督の『ウォーターボーイズ』があるけど、『チア☆ダン』は最後に顧問の先生を描くという感動のダメ押しに持っていかれた。

おそらく制作スタッフは、どれだけ巧妙に描いても、優勝する、というオチは誰もが知ってるという前提になるから、もう一つ強いラストが必要だと感じたんではなかろうか。

予告編然り、プロモーション時に「実話」と謳うことはマストだろうと考えるし、だったら最初から「女子高生がチアダンスで全米制覇しちゃったホントの話」と大きく打ち出してしまったほうが、話題にしやすいだろうと。

ただそのかわり、見に来る人は、作品の中でどんな紆余曲折があっても結局は優勝するんだろうなという前提で観るため、もう一つ必要だと。

そこで天海祐希演じる顧問先生のこれまでの背景を描くという手法を考えたのではないか。

『ウォーターボーイズ』超え

仮にそのダメ押しがなくても、きちんと感動はできた。

観てたときも、「終わりかー。いやー感動した。面白かったー」と思った。

しかしどうやらそこで終わらず、天海祐希編が始まった。

ここでもう一発涙を放出させられる。

下手するとやりすぎになってしまうところだけど、これはとても自然で、伏線の張り方もすごく良かった。

テレビでやってたら普通に観ると思う。何度でも。

ちなみに、『ウォーターボーイズ』の興行は9.2億円。『チア☆ダン』は13億。事実上『ウォーターボーイズ』を超えた。

主要キャストの技量

広瀬すずは今なにをやらせても天才期だから抜群の安定感。

中条あやみは身体のラインがキレイで、チアダン映えして良い。演技も良かった。

千葉真一の息子、新田真剣佑は顔の作りが良すぎて地味な役は似合わないんだけど、これが意外にいい。あの顔立ちの良さに自惚れていたら出せない技量だ。今後もっといい当たり役が来れば化ける。

天海祐希さんは、やはり類似タレントとして米倉涼子が挙げられるだろうけど、やっぱりこの役は天海祐希さんのほうがいい。米倉涼子だとジャージ姿も妙にスタイリッシュになってしまいそうで、高校教師に見えない。

チアダンドラマ化へ

広瀬すず→土屋太鳳 いいね!

2018年7月からTBS金曜ドラマで『チアダン』はドラマ化が決定した。時間は22時。

主演は土屋太鳳。

他は志田彩良・山本舞香・大友花恋・石井杏奈・朝比奈彩・佐久間由衣・箭内夢菜。

これはいいとして、

天海祐希→オダギリジョー えっ

映画とドラマを差別化するのはいいんだけど、映画『チアダン』の良さは顧問の影の苦労や努力なのに。

ダメ教師・ダンス部顧問、という設定らしいけど。

でも、ダメ教師だから共に成長していく過程を見せる的なことなのだろうか。

オダギリジョーの演技力ならどうとても出来そうだから、とりあえず放送を楽しみにするとしよう。 

「チア☆ダン~女子高生がチアダンスで全米制覇しちゃったホントの話~」評価

★★★★★★★★☆☆