1997年のスペイン映画『オープン・ユア・アイズ』リメイク。
同作でヒロインを演じたペネロペ・クルスが本作にも同役で出演している。
2001年のアメリカ映画。
(以下ネタバレを含みます)
感想
最後のミス
すごくおもしろかったんだけど、最後の最後で、この映画は大失敗してしまっている。
絶対に不必要なシーンがひとつだけあった。
そのシーンとは、最後のエレベーターでのシーン。
トム・クルーズと救護員が話すシーン。
あそこは、全てのネタ明かしのシーンですごく重要なシーンだよね。
すごくいい場面だ。
でも最後の最後でトム・クルーズが「死んだのは僕だ」と言う。
あそこ。あの瞬間、車の事故の時のカットが入る。
あれですよ。
なんであんなカットを入れてしまったのか。あれで一気に崩れてしまう。
あれがあるとないとでは全然違う。
あのシーンは、ただ無意味にややこしくなるだけだよ。
デイヴィッド・アームズはいつ死んだのか
つまり、デイヴィッド・アームズ(トム・クルーズ)はいつ死んだのか、ということ。
実際は、LE社と契約した後死んだわけだよね。
でもそこもちょっとおかしい。
なんであんな自宅で、しかもあんな適当に薬を飲んで死ぬんだろう。
それはさておきとしても、とにかく、そこで死ぬわけだ。
それなのに、あのエレベーターでのシーンを見てると、まるで、あの車の事故の時「死んだのは僕だ」と言ってるように思えてしまう。
最後の最後でまたわけわからなくなるから、「え?なに?結局なんなの?どっちなの?」と、はっきりしないまま屋上のシーンになり、そのまま終わってしまう。
あのカットは絶対に失敗だ。
あの事故のときなら
もし私の考えが全部間違っていて、本当に死んだのはあの事故の時だったとしたら。
それはありえない。
あの段階ではトム・クルーズは何も問題なかったわけで、LE社とだって契約してないどころか、まだ知りもしてないはず。
そうすると、あの「夢」の世界も体験できてないわけで。
とすると、やっぱり死んだのはあの救護員の言うように、クラブでペネロペ・クルスと別れた後、ということになる。
やっぱりあの事故の時はトム・クルーズは生きてたわけだよね。
あと、公園の夢のシーンもわかりにくい。ペネロペクルスと話をしてる途中、「これは夢なんだ」と気付いてしまうというシーンなんだけど、「パーティーの後は、すぐ片付いたの?」というセリフで、何で「これは夢なんだ」となるわけ?
夢の中のごっちゃの世界を描くなら、そういうところで、無駄に難解にしてはダメだ。
選曲の稚拙さ
どうもこのキャメロン・クロウ監督は、ギリギリ噛み合わない。
音楽のかけ方もちょっと不節操というか、稚拙な感じもする。
なんでここでこんな音楽なん?という箇所が目立った。
レディオヘッドにシガーロスにボブディラン。
そして主題歌はポール・マッカートニー。
惜しい。これはすごくおしい作品だった。
ちなみにこの映画の出演者の中で一番よかったのは、キャメロン・ディアス。
ただかわいいだけじゃないってところを見せれた数少ない作品の一つだと思う。
「バニラスカイ」評価
★★★★★★☆☆☆☆