2002年公開のアメリカ映画。
屋敷に侵入してきた強盗たちと緊急避難用の密室「パニック・ルーム」に立てこもった母娘を描くサスペンス。
(以下ネタバレを含みます)
感想
2点おかしい箇所
最初に2点言いたいのは、まず、2人の警察官が訪れるシーン。
あそこはやっぱり暗号でも何でも言うだろう、普通は。
あんなに頭のキレる警官が、「わからないように何かサインをして下さい」とまで言ってくれてるのに、何もしないってのはどうなんだろう。
で、なんで最後に一斉に警察官が入り込んでくるの。
映画も終盤だしっていうノリなのか。火サスじゃないって。
こうすればよかった
あそこでダメモトで何かサインを送らせればいい。
「気付いてくれるかしら」って感じくらいの微妙な。
だから、警察官もあんなキレる警察官じゃなくていいわけ。普通の感じで。
で、警察官はまるでそのサインに気付いてない素振りで帰っていく。
最後のシーンで、ラウール(ドワイト・ヨーカム)を、バーナム(フォレスト・ウィテカー)が殺すわけだけど、あのシーンなんて最悪でしょ。
バーナムは殺しには嫌悪感を抱いてた上、さらに、逃亡寸前のところで戻ってきて殺すなんて。
あんな無理はさせずに、あそこで、助けるのはバーナムじゃなくて、警察官が入ってきて助ければいい。
つまり、さっきのサインに気付いたらってことにして。
で、逃げてたバーナムは、路上とか、どこでもいいけど、後々どっかで捕まりゃいいわけで。
そこがどーしてもちょっと。
コメディ?ホラー?
この映画は、あの親子のやりとりに笑っていいのかどうなんだろうってとこがある。
「糖分、糖分…、あ、このガムは!?…シュガーレスか」とか、ビートルズの曲を懸命に思い出して、意識を繋ごうとする娘とか。
前半も結構微妙で、ちょっとジュニア(ジャレット・レト)がコメディ色を出してくるでしょ。
あれがあんまり強すぎると、『ホーム・アローン』の影が見えてしまうから。
ガス爆発のシーンで、ジュニアの髪がこげてはげてたら、もう間違いない。
だってこの映画は、あのジュニアが殺されてから、緊張感を増すわけで。
なんでこういう演出なのか、その意図がよくわからない。
あと、ジョディー・フォスターが閉所恐怖症の設定らしいけど、その意味はあったのか。
撮り方はいい
よかったのは、映像による現状説明。
この監督はあのデビット・フィンチャー。『ファイトクラブ』とか『セブン』の人。
カメラは自由自在に、細い管でも何でもどこでも入っていって、うまくその状態を説明してくれる。
たいていこういう映画は、気味の悪さを出すために、画面が暗くなったり、ボヤけてる感じで、その時の状態がわからなくなってしまうことがあるけど、そこはさすが一流監督、ぬかりはない。
あと、この映画、のっけからもう部屋探しで、あの家のシーンで、そのままほぼあの家だけのシーンで終わる。
完全に、この家の中だけで勝負するぞっていうところが潔い。余分な前フリはカット、もうのっけから行くぞ、ついて来いってところがすごく良かった。
ハンニバルに出てほしかった
この映画のキャッチ・コピーで、『ハンニバル』よりも、ジョディーフォスターが選んだのは『パニック・ルーム』だった、みたいなこと書いてあったけど、これならやっぱり、『ハンニバル』の方が良かったような。
やっぱり、アンソニー・ホプキンスとジョディ・フォスターでやってほしかった。
ジョディ・フォスターは、日本だと、沢口靖子さんかな。どうでもいいですけども。
「パニックルーム」評価
★★★★☆☆☆☆☆☆