実際に10代の頃から音楽ジャーナリズムに関わってきたキャメロン・クロウ監督の自伝的作品。
あらすじ
70年代アメリカ。
姉の影響で音楽好きになったウィリアム(パトリック・フィジット)。彼が地元紙に書いた記事を「ローリング・ストーン」誌が注目、ウィリアムが15歳の少年とは知らずに原稿を依頼してきた。
ブレイク寸前のバンドの全米ツアーを同行取材するウィリアムは、ペニーレインと名乗る少女(ケイト・ハドソン)との出会いや、バンドメンバーからの刺激を通して、少しづつ大人になっていく。
(以下ネタバレを含みます)
感想(ネタバレ)
いちいち3流映画
普通に3流映画。制作者側もヒットを狙ってるわけではないと思うし。
なんと言ってもストーリーが根本的につまらないし、それは原材料云々ではなく、展開や描写、そういった細部に至るまでいちいち3流。
ストーリーの流れがほんとに不可解だし、何を見せたいか、伝えたいかもまるで伝わってこない、というよりは、元からない感じ。
それが青春だ、っていうのは観てる人には通用しない。
カメラワーク、演出、セットやセリフ、その他映画を構成する全てにおいて、見事に3流だ。
最後だけは真面目に作った
よかったのは、一番最後のシーン。ウィリアムの部屋にラッセルが来る所。
ペニーレインが、自分の家ではなく、ウィリアムの住所を教える、というところはまずまずだった。 けど、別にその部屋で何があるってわけでもない。
最後くらい、ちょっと何か考えてみようって感じの発想だったんだろうけど、その部屋で何を起こすかってところまでは、頭が回らなかったんだろう。
飛行機が墜落しそうになるシーンもそこそこ面白かった。というか、笑えた。笑っていいとこなんかどーかはわかんないけど。
音楽ファンでも楽しめない
音楽ファンにオススメみたいなキャッチコピーだと思うんだけど、別にそれほどでもない。
洋楽を60、70年代あたりから探り始めた人くらいには、少しは楽しめるかと。
「俺は、名盤と呼ばれるものは全て聴き尽くした」
と言えるくらいの人にとっては、全くたいしたことはないし楽しめもしない。
ペニーレインは監督の幻想
「ロックとは」、みたいなところがこの映画には全体的について回ったりするけど、とりあえず、酒とドラッグと女出してワーワーやっとけって映画ではないところは少しは好感持てたけど、じゃあ何だ?って言われると、この映画にはそれもない。
だったら素直に、酒と女とドラッグ出して、ワーワーやってた方がまだ良かったかもしれない。
このペニーレインってのは、監督の幻想なんじゃないか。憧れというか、そういうものを映像化してみたかっただけなんじゃないの。
この監督は『ザ・エージェント』や『バニラ・スカイ』で有名な監督だから、好きな人はきっと多いだろう。
あと、ラッセル役の人は微妙に『バッファロー’66』のヴィンセント・ギャロを影響してるような素振りが見えるのと、表情が竹野内豊っぽかったりする。
どうでもいいことですけども。
「あの頃ペニーレインと」評価
★★☆☆☆☆☆☆☆☆