鷺谷政明の神映画レビュー

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映画「アトミック・ブロンド」感想 複雑すぎて華麗なアクションも入ってこない(ネタバレあり)

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ベルリンの壁崩壊が迫った1989年が舞台のスパイ映画。 

(以下ネタバレを含みます)

感想(ネタバレ)

MVにしてしまえば良かった

スパイ映画はストーリーの中で裏の裏を突き、さらに観客の裏も突かないといけないため、ストーリーを考えに考えて、最終的に出した時にはなんだかよく分からないものになってしまうというパターンが多い。

真っ白いキャンパスになにかを表現しようといろん色の絵の具を塗りつけていったら最終的にただの真っ黒いキャンパスになっちゃった、っていう。

でも色を塗ってる側はさまざまな経緯を経てそうなってるから、どうだ、いいだろう?と思うけど、完成品だけを出されたほうは、どう観てもただの真っ黒にしか見えないんですけど、という。

創ったほうは、「いや、分からないかな、その奥に深い青みとかあるだろ、ここなんか緑も見えるだろ、そういう繊細な色の組み合わせを経た上での黒なんだよ」というんだけど、こちらにすればどう観ても真っ黒にしか見えない。

この映画は完全にそれ。

かっこいい女スパイを描きたかったんだろうから、複雑なストーリーなんて考えずに、『バイオ・ハザード』っぽく単純にカッコいいMVを撮るようなノリにしてしまった方がまだ良かった。

なんで今戦ってるかもよく分からない

繰り返し観ればいろいろ理解できて楽しめるのかもしれないけど、繰り返し観て理解しようという気にもならなかった。

人は理解できないとき、強い関心を持つか、強い怒りを覚えるかの2つに分かれる。

今回の映画は後者だ。

次第に、誰が敵で、なんで今戦ってるのかもよくわからなくなっきて、せっかくのアクションシーンもいまいち入ってこなかった。

『ドラゴンタトゥーの女』がめちゃくちゃおもしろかったから、なんかパッケージの質感の近さとかから思わず借りて観てしまったけど、これは全然おもしろくなかった。

「アトミックブロンド」評価

★★☆☆☆☆☆☆☆☆