映画「マスカレード・ホテル」感想 明石家さんまがさんタクから見事な登場(ネタバレ)

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2011年発売の東野圭吾の長編ミステリ小説が原作2019年公開。

(以下ネタバレを含みます)

木村拓哉主演ナンバーワン

事務所の意向でなにやら制限があるのか、これだけの人が映画で良作に恵まれないのは不思議。

本作はそんな木村拓哉さん主演映画の中で一番良かった。

冒頭のカッコ良すぎる刑事の佇まいも良いし、そのあとお色直しとばかりにホテルマンにチェンジする件もいい。

シリアスすぎる映画だと、「こんなスタリッシュな刑事いるかよ」になっちゃうけど、緩めのサスペンス・エンターテイメント作品だからこそ、違和感なく観れた。

それでいて冒頭の僅かな描写で新田という刑事像が確立されているため、キャラクターはぶれない。

いつもの木村拓哉さんの安定感が本作ではプラスに作用していた。

『HERO』『コンフィデンスマンJP』感 

松たか子さんと木村拓哉さんが一緒の画に映ればそれは『ラブジェネレーション』だし、『HERO』だ。小日向文世さんも入ってくるとよりHERO感が強い。

それでいて長澤まさみと小日向さんになると『コンフィデンスマンJP』になったり、フジ系ドラマファンの心をくすぐるキャスティングも面白かった。

明石家さんまどこに出るか

正月特番『さんタク』を観ている人には、明石家さんまさんがどこに出てくるかずっと気になる。

ただ、本編の流れ的に途中でちょい役で出てくることはないのでは、と感じる。構成的に、かなりややこしくなるから。

でもそのまま終わる。エンドロールになる。あれ?やっぱり途中に出てたのか?となる。

そこで、エンドロールの流れでそのまま出てくる明石家さんまさん。あー!出たー!となる。

三谷幸喜的構成

本作は、東野圭吾原作でありながら、三谷幸喜的作品のようで、舞台は一つのホテルのみ。

また、殺人犯が紛れ込んでくるはずという本筋の描写を作ったことで、それ以降訪れる変わった客の面々によるショートストーリーが生み出せるという構成も、どこか三谷さんを感じさせる作りで、とても面白い。

でも三谷さんなら、もっと入れ込んで同時進行で見せるだろう。実際『THE 有頂天ホテル』がそんな感じだったけど。

監督も三谷さんでも良かったような。監督はドラマでお馴染みの鈴木雅之さんだけど、映画『GTO』とかがひどかったのでどうかなと思ったんだけど、本作はとても良かった。

カメラがホテルから下がって入り口にいって時間経過を示す演出は、この手法めちゃくちゃ好きやんと思わせるほど多用されてたり、たまに出てくるトリッキーなカメラワークが気になるくらいで、撮り方も安定していて観やすかった。

(これより先は犯人のネタバレあり)

唯一突っ込むとすればここ

とてもライトに楽しめるサスペンス・エンターテイメント作品なので、真面目に突っ込むのも無粋だけど、一つだけ言うと、あれだけ刑事の勘が働く新谷が、松たか子の老婆の扮装に気づかないのはおかしい。

盲目の嘘まで見抜けるのに、あの扮装を見抜けないという。話の流れ的に、そこに気づけちゃいけないんだけども。

松たか子の銀幕活躍感

特筆すべきは、松たか子の銀幕での活躍感。映画の中でのこの人は底知れない。

ドラマでの起用のされ方とのギャップがおもしろい。まるで、地上波とラジオがまるで違う伊集院光。

まだまだ未知の領域に入り込んでいきそうな気がする。監督や演出家が松たか子さんをどう使うかだけど、そういった製作者にいろいろな想像をさせる、見事な女優だ。

「マスカレード・ホテル」評価

★★★★★★★☆☆☆