1929年に公開された白黒の、サイレント映画。
「夢」を映画化してみた、といった内容。
なぜか日本で人気のある画家、サルバトール・ダリと、ルイス・ブニュエルの監督で制作。
(以下ネタバレを含みます)
感想(ネタバレ)
17分のショートムービー。
超抽象的な映画で、ストーリーといったものはない。
ぼんやりとしていて、時の流れも自由奔放で、まさに夢のような不思議な世界観はつくれてるかもしれないけど、良いとか悪いとか、面白いとかつまらないとかは判断しにくい。
ただもう一度観たいですか?と聞かれたら「別に」っていう。
目を切るグロいシーンをやりたかっただけ感
とても芸術的評価が高い映画だけど、カミソリで眼球を切るっていう描写がしたくて、あれは実際は死んだ牛の目を使ってるらしいけど、どちらかと言うとそれが一番やりたかっただけなんじゃねえかという気がする。
『ダウンタウンのごっつええ感じ』との類似点
だからきっとこれは、作ってるほうが一番楽しんでたような気がする。
いろんな手法を考えたり、素材を並べたり、キャッキャ言いながらやってたんじゃないか。
「あー、それ夢っぽい!ぽいぽい!」
とか言いながら。
『ダウンタウンのごっつええ感じ』のコントで、ボクシングの試合で聞いたこともない国の国歌が会場に延々流れるコント『挑戦者』における、あの国歌を作ってるときとか、謎のルールで展開される『実業団選手権大会』の設定を作ってるときのような。
その時代だから売れた
この映画を現代で観て、絶賛してる人はどうにも怪しい。
こういう映画はその時代の背景があってはじめて物議を醸したり、話題になったりするものであって、今この日本国内でこの映画を観てピンと来る人っていうのは、ただ知ったかしようとしているんじゃないかと邪推してしまう。
ピンク・フロイドが売れた理由
ピンク・フロイドの「狂気」にしたって、あれはドラッグが合法だったり規制がゆるかった時代に、ヒッピー文化からサイケデリック・ロックへの変遷していく流れがあって、ラリって聴くのに最適だったら売れに売れたんであって、今の日本人が聴いて「これはすごい」って言っても嘘つけお前って思う。
それに当時はレコードだったから何度も聴きすぎて擦り切れちゃったり、ラリってる状態だからなくしたり壊したりして、買い直す人も多かったっていう。
日本でもなぜかヤンキーに好まれるモノってあるけど、これもそうで、当時はピンク・フロイドを聴きながらドラッグを決めるのがイケてた文化があったんだと思う。
作る側もドラッグをバッチリ決めながら作ってたんだうし、このサイケ時代の名盤はそういう曲が多い。
「アンダルシアの犬」評価
★★☆☆☆☆☆☆☆☆