鷺谷政明の神映画レビュー

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映画「七つの会議」感想 池井戸潤原作はドラマの方が向いているかも(ネタバレあり)

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2012年の池井戸潤による小説。

2013年に東山紀之主演でテレビドラマ化し、2019年に野村萬斎主演で映画化。

池井戸潤✖️福澤演出オールスターズ

ここまでオールスターズとなると、視線の主軸がぶれるというか、観ていて、ああこの人はアレに出てた人、このひとはなにに出てた人だっけと、池井戸ドラマの記憶捜索ゲーム的な見方になってしまって、なかなか映画に集中できなかった。

というが一番の感想だった。

長い前フリ

フリが長く、どういう方向でいく映画なのか掴みにくかった。

池井戸ドラマ演出に見慣れてしまっているからか、ドラマだと45分で起承転結をキレイに見せるためよくも悪くも展開は早いが、最初の「起」をずっと観させられてるような感じがしてしまった。

野村萬斎の違和感

個人的には野村萬斎氏の演技はあまり評価していなくて、『陰陽師』や『のぼうの城』などの時代劇ものならまだしも、現代劇で野村萬斎さんだと、どこまでコメディで、どこがシリアスかわかりにくく、池井戸作品とは、あまり相性が良くないように感じた。

ドラマと映画は違う

それぞれの悩みをブロックごとに主観で見せるのも映画の主軸をブレさせる演出に見えたし、やっぱり福澤さんはドラマのほうが合っているのでは。

カメラワークも無駄にカット割りが多く感じた。

中盤、事態が明らかになってくると、ようやく感覚が目覚めてくるけど、時すでに遅し、途中、妙な演出やテンションが続いたため、どうにも入り込めない。

最終的にはいくつかの大どん返しが起きるので、ストーリーとしてはやはり優れていると感じるけど、2時間の映画として見る分には、ちょっと疲れてしまった。

やはり起承転結の時間配分が、少しバランスが悪かったように思う。

池井戸潤原作が映画よりドラマに合っているのか。福澤克雄さんが映画よりドラマの方が合っているのか。おそらく両方のような気がする

または、ドラマがおもしろすぎて、そこと並列で比較してしまっている自分がいるからなのかもしれない。まるで漫画と映画を比較するように。

本作も興行収入20億を突破するヒットとなったが、同時期に公開された『翔んで埼玉』旋風のインパクトにやや押されてしまった格好となった。

「七つの会議」評価

★★☆☆☆☆☆☆☆☆