2002年公開の映画。
原作は、当時指揮幕僚団として派遣された佐々淳行の『連合赤軍「あさま山荘」事件』。
長野県軽井沢町で1972年2月19日から2月28日に起きた、連合赤軍・あさま山荘事件がテーマだ。
(以下ネタバレを含みます)
感想(ネタバレ)
日本人なら知っておこう
この映画は、日本で起きた実際の事件として、一度は観ておくべきだろう。
当時の情景描写も良くできていて、とにかく物語に一貫しているのは、組織が生み出す一長一短だ。
わかりやすいのは、長野県警と警視庁の対立構造だが、その裏にも、細かいところに至るまで、まあ揉めごとが耐えない。
日常的に起こるような事件では当然ないし、実際に死傷者も出ていいるため、この事件がもたらした課題は多い。
キャストがすごい
さて、この映画を今観るにあたっては、また違った楽しみ方ができるのも一興である。
まず主演は役所広司さん。この時代からトップスター。
そして奥さん役に天海祐希さん。非常に若い。1995年に宝塚を退団し、2004年からドラマ主演などを務め始めるので、天海祐希前夜の貴重な頃。落ち着いたいい奥さん役を演じている。
先に女優を紹介しておくと、人質が篠原涼子さん。1997年に『ごっつええ感じ』が終わり、天海祐希さん同様、女優業を真剣に始めている頃だ。最後にチラッとしか出てこないが、今思えば贅沢な起用の仕方だ。
そしてその旦那さんが松尾スズキさんである。さすが劇団「大人計画」主催といった感じの、リアルな一市民を見事に演じている。この年は同劇団の宮藤官九郎さんが『木更津キャッツアイ』を当てたときで、大人計画の進撃が始まっていた頃である。荒川良々さんも出てます。
宇崎竜童さん、伊武雅刀さんは説明不要。伊武さんは当時からほとんど変わってない。
小隊長の遠藤憲一さんは、声でわかったが、顔がはっきり見えるシーンが少なく、ちょっと気づきにくい。ただあの独特な声は当時から健在。
そこの隊員に上地雄輔もいましたね。最後の最後で気付いた。
甲本ヒロトさんの弟、甲本雅裕さんは巡査役でいたらしいんだけど、わからなかった。
田中要次さん、石丸謙二郎さんもわかった。会議室のシーンにいた人は比較的わかる。
矢島健一さんも活躍されてました。この方も単体であまり注目されることが少ないですが、名バイプレイヤーですよね。どんなテイストの作品でも活きる人。
警視役には田中哲二さん。仲間美由紀の旦那さん。あんまりセリフなかった。
クレーン車の社長になぜか椎名桔平さん。この配役になぜ椎名桔平さんを持ってきたのかは謎。だが当時からカッコいい。
それで言うと、犯人役に武田真治さんと鈴木一真さん。なぜにこんなイケメンを。そして、犯人は口元に手縫いをしているので、ほとんど顔がよく見えない。これもまた贅沢な使い方であった。
それから、後藤田長官役に、今は亡き藤田まことさん。ここはすごく合っていた。
「突入せよ!あさま山荘事件」評価
★★★★★★☆☆☆☆