『白い巨塔』。
2019年、ついに復活する。
- 白い巨塔2019放送日
- 白い巨塔とは
- 山崎豊子とは
- 白い巨塔のモデル
- 白い巨塔といえば田宮二郎
- 唐沢寿明伝説の始まり
- 財前五郎=岡田准一
- 白い巨塔2019年2003年キャスト比較
- 2019年版白い巨塔、世紀の愚作か三度目の伝説なるか
- 今見るならこれ!
白い巨塔2019放送日
- 5月22日(水)21時~22時24分
- 5月23日(木)21時~22時24分
- 5月24日(金)21時~22時24分
- 5月25日(土)21時~23時10分
- 5月26日(日)21時~23時10分
平日は約1時間半、土日が約2時間、という構成。
白い巨塔とは
まず、『白い巨塔』についておさらいを。
白い巨塔とは、1965年、1969年に新潮社から発表された、山崎豊子さんの小説である。
『白い巨塔』はこれまで、何度も映像化されてきた。
- 白い巨塔 (映画):1966年、大映制作。(主演:田宮二郎)
- 白い巨塔 (1967年のテレビドラマ):1967年、NET・東映テレビプロ制作、全26回。(主演:佐藤慶)
- 白い巨塔 (1978年のテレビドラマ):1978年、田宮企画・フジプロダクション制作、全31回。(主演:田宮二郎)
- 白い巨塔 (1990年のテレビドラマ):1990年、テレビ朝日・大野木オフィス制作、2夜連続のスペシャルドラマ。(主演:村上弘明)
- 白い巨塔 (2003年のテレビドラマ):2003年、フジテレビ・共同テレビ制作、石川寛俊監修、全21回。(主演:唐沢寿明)
- 白い巨塔 (2007年のテレビドラマ):2007年、韓国MBC・KIMJONGHAK PRODUCTION制作、全20回。(主演:キム・ミョンミン)
- 白い巨塔 (2019年のテレビドラマ):2019年、テレビ朝日制作、5夜連続のスペシャルドラマ。(主演:岡田准一) wikipediaより
また、『白い巨塔』に限らず、山崎豊子さんの小説は、ほとんどの作品が映像化されてきている。
『華麗なる一族』『不毛地帯』『二つの祖国』『大地の子』『沈まぬ太陽』『運命の人』などなど。
近年であれば、池井戸潤さんや、東野圭吾さん、思いっきり遡れば江戸川乱歩やアガサ・クリスティーなど、映像化されている小説は山ほどあるが、やはり群を抜いているのが、山崎豊子さんである。
山崎豊子とは
この人のなにがすごいって、その徹底した取材っぷり。とにかく取材を重ね、「そこで起きたであろうこと」を当事者以上に、第三者観点から雄弁に物語るのだ。
過去には、ドラマ『運命の人』で、大森南朋さん演じる山部一雄のモデルが渡辺恒雄会長とされており、おの描写に、本人が大激怒したということもあった。
小説であるため、実在の団体企業とは一切関係ありません、のやつだが、名称を変えただけで、実際に起きたことを物語に取り入れる手法が鮮やかすぎるので、実話のようなリアリティがどの作品にも反映されている。
白い巨塔のモデル
ちなみに、この『白い巨塔』の財前五郎にもモデルとされている人がいる。
山崎豊子さんの主治医だった元大阪大学教授の神前五郎という医師だとされることがあるが、36歳で千葉医大の第二外科教授になった中山恒明という人だという説もある。
山崎豊子さんは、「いろんな病院をモデルにしている」とお話されており、確かに「こいつがモデルです」とは、仮にいたとしても言えないだろう。
白い巨塔といえば田宮二郎
『白い巨塔』といえば、やはり1978年のドラマ版が伝説となっていた。
かの名優、田宮二郎さんの鬼気迫る演技で、財前五郎を見事に実写で表現してみせた。
しかし全編の撮影終了後、「財前五郎の後に、どんな役を演じたらいいかわからない」とプロデューサーに漏らしていたという。
そして同年12月28日、田宮二郎さんは猟奇銃で自殺。
このあと、まだ2回もドラマの放送が残っていた。そのため、そのあとの放送は視聴率が跳ね上がり、伝説回となったことは言うまでもない。
唐沢寿明伝説の始まり
そして2003年、再び『白い巨塔』がドラマ化されることになる。
財前五郎役を熱望した唐沢寿明さんであったが、当初山崎豊子さんは、唐沢さんのキャスティングに懐疑的であったという。なにせ、伝説となった田宮二郎さんの存在があるからだ。
撮影前、山崎豊子さんと唐沢寿明さんとプロデューサーの3人での会食時に、
「財前役をやるなんていい度胸してるわね。あなた大丈夫?」
と、山崎豊子さんは唐沢さんに言い放ったという。
しかし会食が進むにつれ「あなた面白い男だね」と唐沢さんの起用に納得した。
そして放送終了後には、「素晴らしかったです。あなたが財前で良かった。感動しました」とまで言わしめた。
山崎豊子さんからその言葉を引き出せたのは、放送を見た全ての人が納得済のはずだ。
田宮二郎さんを凌駕するほどの圧倒的な演技力で、財前五郎を完璧に演じきった。
ここから唐沢寿明さんは、同年代の俳優に一気に差をつけていくことになる。その決定打がこの作品だったことは、そのあとの歴史が証明済である。
唐沢さんのように、この作品で一気にライバルに差をつけていった同年代の俳優がもう1人いる。
それが、江口洋介さんだ。
江口さんもまた、本作で里見脩二役を完璧に演じた。このドラマはいうなれば、里見役が江口洋介さんだったからこそ、唐沢さんはより財前五郎になれたとも言えるし、その逆も言える。
もうこればかりは、どちらがどうと評価できるそれではない。ドラマはスタンドプレーでなんとかなるものではないからだ。
なので、田宮二郎さんと唐沢寿明さんだけを切り取って比べることは難しい。このドラマは財前と里見がいてこそ成立するドラマであり、また、それぞれの妻、親、そして彼らを取り巻くの人たちあってこそなのだ。
周りのキャストも完璧な布陣であったことも言うまでもなく、脚本から音楽から、全てか完璧な全21話(2クール)だった。
そして16年のときを経て、この『白い巨塔』が3度目の復活を遂げる。
財前五郎=岡田准一
財前五郎役には、岡田准一。
絶対に認めん。
いや、これは、いわゆる漫画原作が実写化するときに、「えー、主演あいつかよー」と粘着する面倒くさい原作ファンだと思ってくれていい。
むしろこのサイトではそういう人間を否定しているくらいだし、原作と映像は別物だから、くらいにいっている。
今回は映像作品のリメイクのリメイクだから、少し違うけど、でもまあブーブー文句を垂れる、いわゆる原作ファンのそれの類と思ってもらって構わない。
ただ、こういった声は、唐沢さんのときだってあったのだ。
もう決して越えることは不可能とされていた、映画・ドラマ両方で財前五郎を演じた田宮二郎という絶対王者がいたわけで、先述したように、唐沢さんにおいては、世間だけでなく、原作者からも否定されていたのだ。
それらを全て、唐沢さんは実力でひっくり返した。
だから岡田准一も、実力で跳ね返すしかない。俺みたいな面倒なファンを。
また、何度も言うように、ドラマは主演一人で決まるものではない。
他キャスト、制作スタッフ、音楽からカメラマンから、演出家、脚本家、そしてそれらを采配していくプロデューサーが特に命運を握るが、とりあえず、2003年版とのキャストを比較してみよう。
白い巨塔2019年2003年キャスト比較
赤 は?なんで?
青 や、やればできるじゃん…
- 財前五郎(浪速大学医学部第一外科・准教授)岡田准一/唐沢寿明
- 里見脩二(同医学部第一内科・准教授。財前と同期)松山ケンイチ/江口洋介
- 花森ケイ子(財前の愛人)沢尻エリカ/黒木瞳
- 東貞蔵(浪速大学医学部第一外科・教授で財前の師)寺尾聰/石坂浩二
- 鵜飼裕次(同医学部部長)松重豊/伊武雅刀
- 大河内恒夫(同医学部病理学科・教授)岸部一徳/品川徹
- 柳原雅博(同医学部第一外科・医局員)満島真之介/伊藤英明
- 佃 友弘(同医学部第一外科・医局長)八嶋智人/片岡孝太郎
- 亀山君子(同医学部第一外科・看護師)美村里江/西田尚美
- 野坂(同医学部脳外科・教授)市川実日子/山上賢治
- 財前又一(財前の義父。産婦人科医院・院長)小林薫/西田敏行
- 財前杏子(財前の妻)夏帆/若村麻由美
- 里見三知代(里見の妻)徳永えり/水野真紀
- 黒川キヌ(財前の母)市毛良枝/池内淳子
- 東政子(東の妻)高島礼子/高畑淳子
- 東佐枝子(東の娘)飯豊まりえ/矢田亜希子
- 船尾教授(東都大学医学部第二外科)椎名桔平/中原丈雄
- 佐々木庸平(佐々木商店店主。浪速大学の患者)柳葉敏郎/田山涼成
- 佐々木よし江(庸平の妻)岸本加世子/かたせ梨乃
- 佐々木庸一(庸平とよし江の息子)向井康二/中村俊太
- 関口 徹(弁護士・佐々木家の代理人)斎藤工/上川隆也
- 国平幸一郎(弁護士・財前の代理人)山崎育三郎/及川光博
可能性を感じるのは、里見役の松山ケンイチ。これはもしかしたらもしかする。
しかし、愛人役の沢尻エリカで引き戻される。ただ、愛人というイメージだけで、壇蜜や橋本マナミじゃなかったのはセーフ。
財前杏子のところが夏帆というのも少し気になる。うまい人ではあるけど、若村麻由美さんのような気だるさと重たさを出すのが難しそう。
ちなみに、この当時はもちろん、この間『結婚相手は抽選で』で久しぶりに見たけど、むちゃくちゃ美人だった。この人といい黒木瞳といい、遺伝子がどうかしてる。
それから、かたせ梨乃さんのところに、岸本加世子さんのところ、これはもう今から目に浮かぶ。
そして、上川隆也さんのところの斎藤工。これもめっちゃいい。関口弁護士の無精髭が目に浮かぶ。
2019年版白い巨塔、世紀の愚作か三度目の伝説なるか
2019年版『白い巨塔』、もし、山崎豊子さんがご存命でいらしたら、決してこういう形で実現することはなかっただろう。
そして、1978年フジテレビ→2003年フジテレビときて、2019年はテレビ朝日だ。
ここもどうなるか。
世紀の大失敗となるか、再び伝説の始まりとなるか。
それは2019年5月22日にわかる。
私は当然全話見るし、全話録画するし、何度も見るし、レビューする。
ちなみに…2003年のキャストの方々も絶対見るんだろうなあ。仲のいい人は集まって見たりするのかな。どうせなら、出演者が集まって同窓会的な感じでみんな視聴する会を開いて、その模様を動画配信して欲しい。abemaあたりがやってくれたら良いのに。数人だけでも。