監督・脚本はあの『ニューシネマパラダイス』のジュゼッペ・トルナトーレ。
あらすじ
1900年、大西洋を往復する豪華客船ヴァージニア号で生まれ育ったナインティーン・ハンドレッド(ティム・ロス)は、楽譜を読まずに即興で演奏する天才ピアニスト。
彼はなんと一度も船から降りた事がない。
豪華客船の中で生まれ、生涯船を降りることのなかったピアニストの物語。
感想(ネタバレ)
史実を元にした寓話
この映画って実話なんだっけ?あれ、どうなんだっけ?
と思わせる、映画が持つ夢やロマンを丁寧に描写しているところが素晴らしい。
だからこの映画は、「ここ泣くところです!」という、分かりやすい感動シーンがない。
ありがちなパターンではなく、ジンワリくるような感じの描きかたが実話のような深みを与えているし、また、人によっては期待外れとなることもあると思う。
ピアノ対決のシーンで登場するジェリー・ロール・モートンや、ヴァージニアン号が実在する船なので、よりリアリティを増している。
漫画「修羅の刻」と同じ手法
つまりは、漫画「修羅の刻」と同じ。
宮本武蔵と戦った陸奥圓明流の陸奥八雲など、いつの世も陸奥一族が時代の影には存在した、という、史実を元にした寓話。
でも、もしかしたらこういう人が本当にいたのかもしれないと思わせるしっかりとしたストーリー描写があるため、楽しめる。
この手法は下手をすると大反感を買うだけだから、本当に才能あるクリエイターのみが挑戦できる手法だ。
「戦場のピアニスト」が実話
また、『戦場のピアニスト』が実話のため、この映画も実話だと思われやすかったという背景もある。
リクエストに応えて即興でやるシーンなんか、カッコよくて鳥肌立っただけど、ティム・ロスはピアノを弾いているように見せる演技を練習したらしく、流石の演奏(演技)だった。
「海の上のピアニスト」評価
★★★★☆☆☆☆☆☆