鷺谷政明の神映画レビュー

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映画「座頭市」感想 やっぱりタップダンスと殺陣だよね

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2003年に製作された北野武監督作品。

日本国内の観客動員数は200万人で、北野映画最大のヒット作となった。

ちょっと気になった笑いの描写

 

ギャグに関して気になったことがあります。

たけしさんはこの映画でギャグを少し分かりやすくしすぎてるような気がしました。

外国受けを狙ったのか。

あんまりたけしさんにそういう「狙い」とかはやってほしくないような。

市が目を書かれる件がありますよね。ガダルカナル・タカさんに。

あそこは声でフリをしています。その後、おばちゃんの家で4人で何やら真剣な話をするシーンになります。

いったん目を書いたことを横にはけて忘れさせた頃に市の顔が出て笑いを誘う、という手法はいいんです。

でもそれなら、あのおばちゃんが「あんまさんは、どう思う?」って聞いた後、あのおばちゃんが笑ってしまうカットをあんなに長く入れてしまったのはどうでしょう。

あれだけ長く笑ってしまうと、市の顔をみんなが想像してしまうわけですね。想像させる隙をあたえない方が良かったような。

あそこは、真面目な話をしてて、「あんまさん、どうも思う?・・・プッ」くらいですぐ市の顔を見せる、または、「どう思う?」で、すぐに市の顔を映して、市の顔の手前に、おばちゃんの笑う姿をかぶせればよかった。

外国人を意識?

それくらいのことはたけしさんなら、こっちの方が面白いだろって、わかってるはずなのに、敢えてああすることで笑いを簡易的にして、外国人のことを考慮に入れたのかなと思うと、そこだけ少し残念でした。

ただ、あれだけ真面目な時代劇で、要所要所にギャグをふんだんに入れていく姿勢は、さすがビートたけし御大。黒沢さんだって、あのユーモアは真似できないはず。

たけちゃんもタップダンスして

もう1つは、タップダンス。

あれも見事でいい締めだったと思うんですが、たけしさんはやらないんですね。

てっきり市もあのタップに参加するのかと思ってました。

そりゃストーリー上、あそこで市がタップダンスに加わるのは違和感があるけど、タップダンスと言えばたけしさんなので、てっきりやるのかと勝手に思った、人は多いのでは。

素晴らしい殺陣シーン

そして殺陣。カッコよかった。

小柄で金髪にあの衣装で首をひしゃげて、盲目で目を閉じているというあの佇まい、ばっちり決まった風貌に、逆手で持った刀を高速で斬りつけていくあの迫力。

印象的だったのは、刀で血を払うところ。

そういえば時代劇なんかで斬った後に刀をビュンビュン回して鞘にガチャッとおさめるけど、あれはてっきりカッコつけでみんなやっているのかと思ってました。

あれは、血を払うためにやっていたんですね。

見せる側も、多少、あの血を払う感じを誇張してた気がするし。

この映画は珍しく劇場で観たんですが、正解でしたね。

殺陣のシーンとタップダンスのシーンは、劇場で観ないと、その迫力はかなり半減されると思います。

特に殺陣のシーンのあの轟音は凄まじいものがありました。

「座頭市」評価

★★★★★★★★☆☆