原作はヒキタクニオ著作の小説。
2002年公開。
圧倒的だった窪塚洋介
この時代すでに圧倒的だった窪塚洋介が、さらに他の同世代俳優に圧倒的な差をつけるべく突進していった作品。
究極的に伸びる人というのは、やはり世間のものさしだけでは測れない次元にいる。
一歩間違えると非常に危険な領域に行ってしまう危うさがあって、それが時としてクールに映る。
本作は、この時代の窪塚洋介という役者がいて成立した映画だったと思う。
2年後にマンションから転落
未だ真相はよくわかっていないが、2004年マンションの9Fから転落し、重症を負った。
以降テレビ出演はピタッととなくなる。本人がテレビを避けているという。
映画を中心に少しずつ活動は再開していったが、一時期の輝きは、この事故以降、減速していく。
同世代では、妻夫木聡がどんどん伸びていくことになる。
ネオ・トージョーをはっきりと
江口洋介さんの存在が、グッとこの映画の縁の下を支えはいるけど、ネオ・トージョーの在り方をもっと明確にすべきだったと感じる。
ここがしっかりしてないから、どうも観ていて馴染めない。もっと圧倒的にしてしまってよかった。
当時のこの映画の感想の多くは、「途中からヤクザとか絡んできて面白くなくなった」と言う声が多かったけど、ネオ・トージョーがもうちょっとくっきりしていれば、ヤクザと絡んできても、どうなるんだろうって、より釘付けにさせることができたと思う。
不良の恋人役絶対純真説
それこそ江口洋介さんが若かりし頃、主演でネオ・トージョーバリに暴れた『湘南爆走族』でも津山さんという存在がいたように、必ず不良の恋人は純粋で真面目な女学生だ。
『ろくでなしブルース』前田太尊に千秋もしかり、本作でもそうするしかないのはわかるけど、少々強引な登場のさせ方だ。
本作の名シーンは、やっぱり、渋谷で暴れる白の服に身を包んだ3人の若者が、チャラついた若者を制裁し、バックに流れるキングギドラ、というところだろうか。
あとは須藤元気の公園☓☓☓シーン?
ちなみに、『狂気の桜』はamazon primeで観れるので、今また観てみると感じ方も変わるかも知れない。
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「凶気の桜」評価
★★★★☆☆☆☆☆☆