2005年公開の北野武監督作品。
作るの楽しそう
まず最初に思ったのは、きっとこの映画撮ってる時、なによりも楽しかっただろうなと。
本当に好きなようにやってる感じがして、撮影も編集も、きっと楽しかったに違いない。
夢みたいに世界観を描いてやろうという思いと同時に、わけがわからなくなるようなものを創ってやろうという意気込みが感じられる。
どこか固定の設定があれば
ただ、その狙いはいいとしても、あの毛虫の描写だとか、最後、浜辺でたけしに向かっていく侍だとか松村内山だとかまではいらなかったと思う。
ああいうとこまでいってしまうと、いたずらに無茶苦茶にしてるだけという気がして萎えてしまう。
もう少しスマートに、例えば登場人物がそれぞれ二人ずついる設定であるとか、夢と現実を行ったり来たりするといった流れや展開だけで良かったんじゃないかなと。
夢が題材の映画は成功者の証
黒澤明監督の『夢』然り、夢の世界観を映画化する監督って結構いるけど、これは成功者の証のような気がする。なかなかスポンサーとかつかなそうだから。
『アンダルシアの犬』みたいな芸術性をいくら資料で伝えられても、わからないと思うもの。
だから、「こういうのが撮りたいんだ!」と押し切れる実績がある監督じゃないと具現化しない。
なので、新人監督がこういうの撮りたいといっても絶対実現しないんで、夢を題材にしたテーマを撮るのは、映画監督の文字通り「夢」といえるかもしれない。
「TAKESHIS'」評価
★★★★☆☆☆☆☆☆