映画「メメント」感想 難しく捉えず感覚で楽しむべき作品

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2000年公開のアメリカ映画。クリストファー・ノーラン監督。

監督の弟であるジョナサン・ノーランが書いた短編『Memento Mori』が元になっている。

あらすじ                

妻がレイプされ殺される現場を目撃してしまった男は、そのショックにより、10分しか記憶を保てなくなってしまう。その記憶障害の男は、妻を殺した犯人を探すが…。

感覚で観る映画

この映画は、どういうことかきっちり全部理解しなければならない論理的な映画ではなくて、時間軸を狂わされたり、自分の記憶というものについて改めて考えさせられるような、実は、感覚的に観ていい映画なんだと思う。

この映画を観ながら観客は、今映画の中ではどういうことになっているのか必死に理解しようとするんだけど、その瞬間瞬間で理解することは結局は無理なんだよね、初見では。

だから、論理的にものを全て捉えようとする左脳派の人には、観ててイライラしてくるかもしれない。なんなんだよ、どーいうことなんだよ!って。

編集っていうか、その、映画の見せ方みたいなのが中盤くらいでつかめてくると、そこからはすごく楽しめる。

無理に焦って映画を理解しようとはせず、単純にこの「メメント」という映画を楽しもう、みたいな気持ちになってくる。身体を委ねるっていうか。

もちろん、2度、3度と観ていくにつれ、論理的に理解できるようになってくると思うし、新たな発見もあるとは思う。逆から描いているので。

オチありきの倒置法ではない

例えば、『シックスセンス』も確かにもう一度観たくなるけど、『メメント』をもう一度観た時に味わう感覚とは全く違うと思う。

個人的には、『メメント』をもう一度観た時に味わうような楽しみの方が好き。

この映画は、少ない予算の中、大掛かりなこともなく、とにかく内容、中身で勝負してきてる映画だから、こういう部分もまた、個人的に好き。脚本が濃いから、やっぱり面白い。

人間の記憶とは

実際、人間の記憶なんてどーなんだろうって思う。

この映画のように、都合のいいように勝手に置き換えてる部分が多々あるはず。だから思い出って常に美化されることが多くて。

昔の良き時代を懐かしんで思い出すことってあると思うけど、その当時は、楽しいことだけじゃなくて、辛いことも苦しいことも絶対生活の中で常にあったわけで、でも、後々その当時のことを思い出そうとすると、いい思い出しかよみがえってこない、なんてこととか誰でもあるんじゃないだろうか。

『17歳のカルテ』で、空想虚言症というのがあったけど、つまり、自分の思い込んだことが、現実に起きたことと脳が記憶してしまうという症状で。

例えば、自分が何かをした、という空想を強くしたとする。で、その時に、その「空想をした」という記憶を思い出そうとする時に、「現実にした」と「空想をした」という境目みたいなのって、その時にした空想がより現実的な空想だった場合、境界線を越えてしまいそうな気がするし、自分の記憶してるものも、果たして100%全て現実に起こったものなのかどうか、疑わしくなってきちゃうな、なんてことを考えちゃったりしちゃうような、映画ですこれは。

「メメント」評価

★★★★★★★☆☆☆