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「ブレイキング・バッド シーズン5」感想・評価 スカーフェイス・オマージュ

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ブレイキング・バッド シーズン5は、ここまで加速し続けてきた分、若干減速するが、それはファイナル・シーズンへの序章である。

(以下ネタバレを含みます)

『スカーフェイス』オマージュ

『ブレイキング・バッド』には、『スカーフェイス』オマージュのような描写が多く存在する。

スカーフェイス出演者1 ヘクター

車椅子のヘクター(マーク・マーゴリス)は、『スカーフェイス』でソーサの使用人、アルバートとして登場する。

不気味な暗殺者役で、強烈なインパクトを放っていた。

顔立ちにも特徴がある人なので、気づいた人は多いはず。

スカーフェイス出演者2 ドン・エラディオ

メキシコのカルテル、ドン・エラディオは、『スカーフェイス』トニー(アル・パチーノ)の相棒役のマニー(スティーブン・バウアー)。

これは気づかなかった。

マニーは実にイケメンだったが、こんな貫禄丸出しの中年になってるとは、往年のスカーフェイスファンでも、なかなか気づけないのではないか。

シーズン5のシーン

第一話では、『スカーフェイス』をウォルター親子が見ているシーンも登場。

これで完全に繋がった

二人が見ていた有名なシーンはこちら。


Scarface (1983) - Say Hello to My Little Friend Scene (8/8) | Movieclips

製作者のコメント

「ブレイキング・バッドは、チック先生がスカーフェイスになる話」と製作者がコメントしている。

これを和訳するなら、「金八先生がアウトレイジになる話」といったところだろう。

ブレイキング・バッドとスカーフェイスの話は、こちらの記事に詳しい。

breakingbadfan.jp

マイクの最後

検索は危険

海外ドラマは本当に検索するのが危険だ。
 
「ブレイキング・バッド マイク」
 
と入力すると、サジェストワードに「最後」と出てきてしまう。
 
それを見てしまって、どこかで死ぬんだろうなと知ってしまっていた。
 
そんなマイクの最後の演出は見事なものだった。

死んだのかどうか 

撃たれてはいたが、車は走り出したので逃げ切ったようには見えた。しかしその後すぐに追突。やはり死んでしまったかと思わせるが、いない。
 
ウォルターは草むらを追うがいない。マイクはプロだ。何とか逃げ切ったのかも。
 
と思ったら、川のほとりにポツンと腰掛けている。これはどういう状況?
 
そう、マイクはもう死を悟っていた。そして「静かに死なせろ」という言葉を残し旅立った。
 
死んだのか、生きているのか、このあたりの引掛けが非常にうまい。ガスの最後もそんな演出があった。

嫌われ役が変わるドラマ

 シーズン5ではウォルターは嫌われ役となった。
 
抜けたがるジェシーを引き止め、金も支払わず、さらにマイクまで殺害してしまった代償は大きい。いよいよアンチヒーローとなり変わった。
 
そもそもウォルターは、スズランを使って子供を死なせかけている。もう完全に一線は越えてしまっている。
 
シーズン4で共闘してきたスカイラーでさえ、シーズン5では限界を超えた。
 
ジェシー、スカイラー、そしてウォルター、このドラマは嫌われ役がコロコロ変わる。このあたりは手塚治虫先生の作品を彷彿させる人間味溢れるスケール感だ。
 
まさに『スカーフェイス』のトニーモンタナ同様、破滅に向うのだろうか。
 
シーズン5はそんな幕切れであった。
 

ブレイキング・バッド シーズン5 評価

★★★★★★☆☆☆☆