ウォルト・ディズニー・カンパニーの映画部門タッチストーン・ピクチャーズが製作した、真珠湾攻撃(第二次世界大戦)についてのアメリカの戦争映画。
マイケル・ベイ監督、ジェリー・ブラッカイマー制作の、『アルマゲドン』コンビ。
2001年公開。
(以下ネタバレを含みます)
感想
ビデオテープ時代
約40分にも及ぶ、日本軍による真珠湾攻撃のシーンは、確かにすごかった。映像も鮮明でものすごくキレイ。
でもそれだけ。それだけのくせになんでこんな長いんだ。3時間もある。
今はDVDだけど、ビデオテープだった時代、
「このビデオテープは、薄手テープを使用しています。テープの品質には万全を期しておりますが、再生中に、「サーチ」「停止」「一時停止」「巻戻し」「早送り」などを行うことはできるだけ避けて下さい。テープ損傷の要因となる恐れがあります」
なんて書いてあった。
3流ロマンス
これは日本人だから思うのかどうかわからないけど、あの3流ロマンスはひどい。
だいたい、あのイヴリンっていう女、美人だけど、やってることは最悪じゃないか。
2人の男と1人の女の三角関係で、2人の男は、米軍パイロットのレイフ(ベン・アフレック)と、幼なじみのダニー。
最初はレイフと付き合ってたんだけど、レイフが戦死したっていう情報が流れると、いつのまにか、イヴリンはダニーと付き合ってて、レイフが生還してくると、イヴリンはレイフに、あなたを今でも愛してます、でも妊娠(もちろん、ダニーの子を)してるの、でも夕日を見る度あなたを思い出すわって、なんだそれ。
ちなみにこれ、『ウォーキング・デッド』の初期もこんなだった。
こういうのアメリカじゃあるある演出なのか。
レイフも、「俺のいない間にこのやろう」って、ダニーに殴りかかったりするんだけど、最終的には、ダニーを許しちゃう。
お前はこの任務から離れろ、なんて言う。お前は生きて還って彼女を幸せにしてやれって。そんないい奴いるか。全然人間味がない。
この辺が『ウォーキング・デッド』とは違う。『ウォーキング・デッド』は殺しちゃうもの。
日本人側の視点
それから、日本人側の視点の描写が全くない。
戦争を描きたいのか、恋愛を描きたいのか、そこのバランスが、作品としても中途半端んだから、宣伝のしかたも中途半端になったんだと思う。
ラブストーリーを推していきたいんだったら、日本人側の視点なんていらないと思う。
メッセージ性を持った戦争描写映画にするんだったら、日本がなぜ戦争をせざるをえなかったか、とか、そういったシーンも絶対必要になってくるし、空中戦闘シーンだって、ゼロ戦に乗ってる日本人のカットは全然ない。
ただ無機質に真珠湾を荒らしまくる物体って感じがする。俺たちは『インディペンデンス・デイ』の宇宙人か。
だから、せめてもうちょっと短かけりゃ、まだマシだったと思う。
あのラブロマンスをカットして、かわりに、簡単な友情の話しでも用意しといて2時間くらいにしとけば、少しはましだったんじゃないか。
「パール・ハーバー」 評価
★★☆☆☆☆☆☆☆☆