鷺谷政明の神映画レビュー

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映画 「博士の異常な愛情」感想 人類の歴史はまるで壮大なコントである(ネタバレあり)

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1963年制作・1964年に公開されたアメリカ・イギリス合作の映画。

スタンリー・キューブリック監督、ピーター・セラーズ主演。

(以下ネタバレを含みます)

感想

もう少し見せて

キューブリックは見せすぎるのを嫌う。

手にとるように理解されるのも嫌う。

それはわかるけど、もうちょい見せてほしい。

ラストをどこに持ってくるかも微妙なところだけど、この映画に関しては、もうほんの少しだけ先が観たくなった。

壮大なコント

エンディングでかかるヴェラ・リンの『また会いましょう』を聴いていると、やはりあそこが最高の終わりどころだったとは思う。

この映画は全編全てが前フリで、後はご想像にお任せします、ということなのかもしれない。

あのエンディングを聞いてると、笑いがこみあげてくるのがこの映画のハイライトだ。

まるで人類の歴史そのものが、全て壮大なコントであったと暗示しているかのよう。

ここにも手塚治虫イズムが

この映画の中でも、もうギャグとしか思えない描写が多い。

ブラック・ユーモアとか言ったりするんだろうけど、あらゆる権限を持つお偉いさん方はまるで馬鹿な人たちばかりで、馬鹿な人たち同士話し合って、喧嘩して、最後はみんな死んじゃいました、では、また会いましょう、的なニュアンスは最高だ。

キューブリック作品は、手塚治虫氏の『火の鳥』に通ずるところが多々感じられる。

一人三役だったんかい

ピーター・セラーズの一人三役(軍副司令官、大統領、ドイツ人科学者)は、観た後日に知った。

全然わからなかった。 

「博士の異常な愛情」評価

★★★★★★★★☆☆