1988年公開のイタリア映画。監督はジュゼッペ・トルナトーレ。
エンニオ・モリコーネの手がけるサントラ『愛のテーマ』も話題となった。
(以下ネタバレを含みます)
感想
涙が出ない感動
この映画では、今まで味わったことがあるようで意外となかった、そして、どこかで味わいたいと思っていた「感動」を受けた感じがした。
涙もろい方だけど、この映画では涙は出なかった。
じんと胸に染み渡る感動。
イタリアを学ぶ
昔のイタリア人やドイツ人って、みんなハンチングキャップや、キャスケットをしていてとにかくかっこいい。
そして、当時からイタリアにはサッカーくじ、つまりトトカルチョがあったんだと知る。
野外上映映画もそうだ。あんな野外で、みんなで映画を観てみたい。
自然とイタリアの生活が身に入ってくるような映画だ。
イタリアと浅草は似てる
幼少期のトトを描いた1940年代、1950年代頃のイタリアは、まるで昔の浅草のようだ。
「こち亀」の回想記に出てくるような、あんな下町を彷彿させるものがあった。
ワルガキがいて、気の短いおっさん達がいて、前後に戦争があって。
実際「こち亀」でも、古い映画館をテーマにした話があったような気がする。
そう思ってから、スッとあの雰囲気に馴染めていけた。
名言の数々
それから、全体的にセリフがすごくよかった。
あのおじいさんのセリフ、サルヴァトーレのお母さんのセリフ、他にも、街の人たちのセリフにしても。
男は初恋の人がずっと忘れずにいて、女は結婚をして子供もいる。最後に男は「今からでも」と促すが、女は断る。この辺の構図は今の現代日本においても、実に親近感を覚える。
作り物感がない
まるでサルヴァトーレの生涯を、本当に何十年もかけて創られたような気さえしてしまう。
当然、人の手によって創られた間違いなく「映画」なんだけど、そういう感じがあまりしない。
「海の上のピアニスト」と、同じ監督なだけに、やはりどこか通ずるものがあって、あの映画も、涙は出ないけど感動した映画だった。
間違いなく、もう一度見るであろう映画。
「ニューシネマパラダイス」評価
★★★★★★★★☆☆