鷺谷政明の神映画レビュー

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映画「トレインスポッティング」感想 サントラ『Born Slippy』のMV

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1996年製作のイギリス映画。ダニー・ボイル監督作品。R-15指定。

若者を中心にヒットした。

感想

ただのMV

ドラッグを中心に、盗み、喧嘩、酒、せックスと、なんでもござれのノリでワルガキ達の日々を描いた映画なんだけど、これはただのミュージックビデオ

サントラであるUnderworld『Born Slippy』のMV。

ご大層に映画にする必要なんかない。

ただ、若者達にこの映画が受けるのはうなづける

シド・ヴィシャスをカッコイイと思ってしまう感覚と同じで、若いときはなんかこういうのってカッコイイって思ってしまう。

サントラもいいし、キャストのファッションセンスもすごく良く、主演のユアン・マクレガーも確かにカッコイイ。

トレインスポッティングの意味

原作者のアーヴィン・ウェルシュは「ヘロイン中毒者(麻薬中毒者)」の暗喩として「鉄道マニア」を意味する単語で、「トレインスポッティング」という言葉を使っている。

これは、映画の舞台になったスコットランド首都エディンバラの北部にあるリースにはドラッグをキメる場所として使用されていた廃線があり、廃線でドラッグをキメる彼らを「鉄道マニア」と揶揄して「奴らはトレインスポッティングだ」と言うようになったという。

ドラッグ=メッセージ映画と思うな

ただ映画という世界の中で、ドラッグを中途半端に描いてるところが好きになれない。

冒頭で、

「人生に何を望む?出世、家族、お金、健康、大型TV、CDプレイヤー、家、友達、低コレステロール、etc…。それが豊かな人生…。だが俺はごめんだ。豊かな人生なんか興味ない…。理由か?理由はない…。ヘロインだけがある…」

カート・コバーンかお前は、という深めに入りから、内容は何の変哲もない、中学生が憧れる不良漫画程度だから、この冒頭でみんな騙される。

こういうのをチョイチョイ入れることで、ただのドラッグバカ映画じゃないみたいに装ってるところも好きではない

だからこの映画を好きになった奴らも、「あの映画は決して表面上だけでなく、麻薬というものをテーマに、非常にメッセージ色の強い…」だなんて、それっぽいことを言うけど、制作者側にしてみたら、してやったりってところだと思う。釣れた釣れたって。

ドラッグをテーマにすれば何でもかんでもメッセージ性があると思ったら大間違いだ。メッセージ性も社会性も何もない。「IWGP」に近い。

大人になってから、この映画を「ただの厨ニ病映画だよね」と言うやつがいるけど、この映画にはまって、家にはポスターまで貼って、車で『Born Slippy』爆音でかけてたお前らの過去は忘れないぞ

『時計じかけのオレンジ』とは別物

『時計じかけのオレンジ』が、この映画のひきあいに出されることがあるけど、あの映画とは全く比べ物にならない。

ちなみに私は、キューブリックファンでもなければ、『時計じかけのオレンジ』も、そんな好きではない。でもこの映画とまるで質が違うということだけは分かる。

「トレインスポッティング」評価

 ★☆☆☆☆☆☆☆☆☆