スタン・リー原作の、同名のアメリカン・コミックである『スパイダーマン』の実写映画化作品。
サム・ライミ監督による2002年アメリカ映画。
(以下ネタバレを含みます)
感想(ネタバレ)
悪役が悪役じゃない
『ハリーポッター』もそうだったけど、悪役がそこまで悪い奴じゃないというところが、どうにも入りこめない。
池井戸潤作品が顕著だけど、やっぱり悪役をいかに悪く仕立てあげるかで、戦いの構図に入り込んでいける。『半沢直樹』然り。
『ウルトラマン』にしても、やっぱり敵役は悪く仕立てる。
もちろん、あれだけシリーズが続くと、中には違うタイプもいたけど…
だからこの映画も「さぁ、やっちまえ!スパイダーマン!」とならない。
なぜ、親友の父親がグリーン・ゴブリンになる必要があったんだろう。
もっとうまい設定があったんじゃないか。
だから、ラストシーンなんか実に微妙で、何か変な感じのまま終わる。
友の父の葬式。
慰めるも、その父を殺したのは…。
MJとも変な感じのまま。
どうも煮え切らないままだし、その煮え切らない感がいい、ということも全くない。
前半だけおもしろい
だから、この映画は前半が面白い。
いつもバカにされてるダメ男が、スパイダーマンの力を手に入れて、回りの奴らを見返していくという。
義理の父親が殺されたともあれば、あの強盗なんかは、「さぁ、やっちまえ!」となるし。
やっぱり後半の対グリーン・ゴブリンのあたりが、いまいちだった。
ただ、あの、逆さまになっての、MJとのキス・シーンはよかった。
音楽との相乗効果で盛り上がる映画
こういう映画に不可欠なのが、テーマ・ソングだった。
これがないのが残念。
ものすごく分かりやすくいえば、ルパンにおける、あの曲のような。
あの曲ありきで、ルパンがある、くらいの。
この映画もコミックからきてるだけあって、カッコよさはあるわけで。
スパイダーマンが、例えばあの、ビルとビルの間を跳ね回ってる時に、エアロスミスあたりがいいと思うんだけど、そういう、スパイダーマンのテーマ曲が欲しかった。
SUM41は明らかに違う。
確かにメロコアはどんな映像とも相性いいけど、スパイダーマンは強いコンテンツだから、スパイダーマンにしか合わないというほどの音楽が必要不可欠だった。
「スパイダーマン」評価
★★★★☆☆☆☆☆☆