映画「CUBE」感想 SAWに並ぶ低予算映画の人気作(ネタバレあり)

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立方体(キューブ)だけで構成された部屋。各所にはトラップ。

謎の迷宮に突如放り込まれた男女6人の脱出劇。

いろいろと部屋を移動しているように見えるけど、実際はワンセットでおこなっているため、低予算(4000~5000万)で制作されたことも話題になった。 

あらすじ

目が覚めると謎の立方体(CUBE)に捕らえられていた数人の男女。

誰が何の目的で閉じ込めたのかも分からないまま、死のトラップが張り巡らされた立方体からの脱出を試みる。

(以下ネタバレを含みます)

感想(ネタバレ)

プロットだけで50点は確約

こういう映画を思いついただけで、星5つはいく。

数学に強い人、好きな人というターゲットに絞るなら、これだけで星6、7ついくかもしれない。

痛感する『SAW』のすごさ

「この建物は何なのか?」「なぜここに人がいれられるのか」っていう部分は、はなから見せるつもりはなくて、ああいう殺人CUBEの建物に閉じ込められた人たちの、無機質なストーリーを描きたかったんだと思う。

外壁を作った男の説明の件りもよくわからないし、黒幕なんていないというあたりから、あの建物を人生に例え始めたりしちゃって、肝心なところが余計ややこしくなる。

あの外壁をつくったという男は、人生に、つまり外の世界に生きる価値を見出せないんだかなんだか知らないけど、どうせ触れるなら、あの建物はなんなんだともっと探索させろという話。

であれば、中途半端にチラ見せしないで、簡単な受け皿を作って納得させて、脱出劇だけを描けば良かった。

そういった意味では、この映画と少し似ている『SAW』の完成度は高かった

リアル脱出ゲーム描写ではなく映画を

出演者も7人だけ、セットはCUBEのシーンだけという、徹底したあの世界の描き方はすごくよかったけど、だったら、会話の中だけでもいいから、もう少し、外のことを想像させる会話のシーンが欲しかった

例えば彼らに何か共通点があって、それを少しずつ理解し始め、自分の秘密を告白しはじめたりだとか、またはあの中に本当にスパイがいてもいいと思うし。

あの警官が、途中で女性の医者を手を放して殺すけど、あの時、あの警官は実は何もかも始めから知っていて、あいつこそがスパイだったのかと思って、ちょっと期待したんだけど、そうじゃなかったし。

よく分からない人たちによる、よく分からないリアル脱出ゲームを見ている感覚になってしまうと、この映画の狙いとはずれると思う。

バラエティー番組でも、もう少し参加する素人の経歴を前段で見せたりするわけで。

続く緊張感

ただし、よく分からない人たちだからこそ、誰が死んでしまうか読めないという点では成功してると思う。

たいてい、主人公は簡単には死なないだろうな、という見かたになるけど、この映画だと、誰が死ぬか全く読めないから、緊張感が続く

でも、あの警官がいつかどっかでまた出てくるとは思ってたけど、もちろん、つくり手も、そう思われてるんだろうなと読んではいただろうけど、だからといって忍者じゃあるまいし、いつあの部屋に音も立てずに忍び込んであの眼鏡の子の後ろに回ったんだよという。

びっくりはしたけど、ちょっと考えればありえないという。

とにかくこの監督は、観客に先を読まれるのが何よりも嫌いなんだろうね。

ルーツとなった『Elevated』

この映画のDVDには、『エレベーテッド』っていう、短編映画が入ってて、これもヴィンチェンゾ・ナタリ監督作品で、『CUBE』の原点となった映画。

CUBEの建物だけ、エレベーターの中だけ、という、限られた設定だけで楽しませる発想力は天才的だけど、もう1つ詰めが甘い。

続編は別の監督によるもの

映画の世界の常だけど、大ブームとなった『CUBE』人気に便乗して、さまざまな類似タイトル作品がこの時代増えた。

続編は『CUBE 2』『CUBE ゼロ』だけど、共に監督はヴィンチェンゾ・ナタリではない。

多分、権利だけ売って、好きにやってって言ったんだろう。

映画はこの作品以降ちょこっとだけやって、そこからはドラマの仕事が多いみたいだし、多分もう映画は疲れたんじゃないか。

「CUBE」評価

★★★★★★☆☆☆☆