アメリカの実在の事件を基に作られ、登場人物、会社及び団体等が全て実在するという、全米に様々な波紋を投げかけた問題作。
あらすじ
米CBSの硬派報道番組「60ミニッツ」プロデューサーのローウェル・バーグマン(アル・パチーノ)は、世界経済に君臨する巨大タバコ産業を番組で取り上げるために、全米3位のブラウン&ウィリアムソン社のかつての幹部、ジェフリー・ワイガンド(ラッセル・クロウ)と接触する。
バーグマンは彼の異常なまでの用心深さの裏に隠された何かを感じる。
ワイガンドは、巨大タバコ産業の存在を左右するある事実の決定的な証拠を握っていたのだ。
マスコミとの接触を失った会社側は、彼と家族に圧力をかけ、その生活を脅かす。
ワイガンドは会社に対する怒りと、ジャーナリストとしての信念を貫くバーグマンへの信頼感から、番組でのインタビューに応じる決意をするが…
(以下ネタバレを含みます)
感想(ネタバレ)
ドキュメンタリーテイストのカメラワーク
この映画は映像の撮り方がとても凝ってる。
まず全体的に画面が暗い。
カメラワークなんかも、常に軽く揺れたりぶれたり、ピントがいい感じでずれる。
ドラマを見せるというよりも、肉迫するありのままを描きたいというところから、このドキュメンタリーテイストの手法を演出しているんだと思う。
とはいえ、見にくかったりするわけじゃないから、『ブレア・ウィッチ・プロジェクト』みたいに画面酔いはしない。
社会派映画
映画を100%娯楽として考えてる人にとっては退屈な映画だと思う。
映画用に脚色・要約はされてるとはいえ、基本的には事実のストーリーだし、映画映画してる分かりやすいストーリーを望む人にはつまらないだろうけど、本を読むのが好きなような人には、じっくり観れる映画だ。
何を感じるか
法や経済が複雑に絡んでくるためちょっと難解な点もあったけど、無知な私でも十分鑑賞できた。
『ハリケーン』然り、正義って、何かね、と考えさせられる映画。
日本でも十分考えられる問題。
明らかなミスなのに、被害側がいくら訴えたとしても絶対勝てないという構図はこの国にもある。
「インサイダー」評価
★★★★★☆☆☆☆☆