監督は、本作がデビュー作となるトニー・ケイ。CMアーティスト出身。
音楽は「フルモンティ」でアカデミー賞最優秀オリジナル音楽賞受賞のアン・ダドリー。
そして主演はエドワード・ノートン。最初観た時は気づかなかった。
『ファイト・クラブ』にブラッド・ピッドと出てた人と同一人物とは思えない。
ゲイリー・オールドマンと並ぶカメレオン俳優。
あらすじ
主人公デレクはかつて高校の優等生だったが、父親が黒人に殺された事をきっかけに彼は変貌する。
身体を鍛えに鍛え、左胸にハーケンクロイツのイレズミを彫り、白人至上主義の活動に猛進することで、怒りのはけ口見出した。
弟ダニーにとって、そんな兄は憧れだった。しかし殺人罪でデレクは3年の刑期を経て、再び大きく変わって家族のもとへ帰ってくる。そして、ダニーの人生もまた、大きく変わろうとしていた。
(以下ネタバレを含みます)
感想(ネタバレ)
食卓の議論のシーン
やはり我々人間は、歴史の上で成り立っていると痛感させられる映画。
刑務所のシーンなんか特にいい。
白人と黒人との微妙な間柄の描写、複雑な友情、そして裏切りと暴力。
食卓での議論のシーンもよかった。
観ている人はあの議論に何かを感じ、自分なりの意見を浮かべる。
思わずあそこに入っていって何か発言したくなるかもしれないけど、やっぱりデレクが怖くてなにも言えなそう。
エドワード・ノートンの表情
そして、エドワード・ノートンの演技力、特にあの表情。
逮捕された時や、議論の末、服を脱ぎ捨てた時の、あの、ほのかな笑顔。
エンディングは悲しいけど、これも歴史が生んだ一つの結果。
我々は、多くの犠牲者の上で成り立っている。
「兄さん、僕たちは憎しみの歴史にピリオドをうてるだろうか…」
「アメリカン・ヒストリーX」評価
★★★★★★★★☆☆